「快適な現代生活のために」をもっとうに、アパレルブランドのMINOTAURがプロダクトラインを提案した、M.U.G(MINOTAUR URBAN GEAR)旗艦店の内装計画。吉田カバンポーター(PORTER)とのバッグアイテム、リーガル(REGAL)とのシューズアイテム、ムーンスター(MOONSTAR)とのスニーカーなど、様々な日本ブランドとの共同製作アイテムを中心に展開されるお店として「日本」を感じられる空間が求められた。テナントは、中目黒駅から徒歩圏内の目黒川付近にある新築三階建てのビル一階の路面店。RC造のスケルトンからの工事計画である。今回の計画は、クライアントとの打ち合わせを重ね、日本を感じられる店の空間の象徴として「和菓子屋」があるのではないかというところから始まっている。店舗に入るところから接客をするのではなく、ガラスのカウンター越しに店主が待ち、客が自由に店内の商品を見て回ることができる。また、ガラスのショーケースの中には一点一点商品が陳列されており、客の要望に応え、店主が一点ずつ取り出し商品の説明することにより、自然な会話が生まれてゆく。このような背景から、今回はエントランスに約3メートルのガラスのショーケースを配置し、奥にディスプレイ用の壁面棚を三段設置した。内装は、機能的でありシンプルなプロダクトを主張させるため、床は既存コンクリートを残し壁面は躯体に白塗装を施している。天井は、スケルトン天井でなく、約40㎝下げることにより配管や空調などを隠すとともに、日本の和室空間にあるような、高さを抑えた落ち着きのある空間を目指した。またその中でも、壁面と天井との間に70㎜のスリットを残すことにより、完全に閉じた重たい印象の天井ではなく、RC空間に浮く軽い印象の天井と見せるよう配慮をしている。メインとなるガラスのショーケースは、中の商品に合わせた木箱を用意することにより、様々な商品の陳列が入れ替えられるよう、高さを85㎝ほど設けている。また、ガラス同士の接着により戸枠を作り木板の扉を落とし込んでいる。今回は、一般的なRC造のスケルトンからの改修であり、どこの立地でも成立する白いギャラリーのような空間ではなく、日本ブランドとの共同商品とともに、それらを引き立てつつも存在感のある日本らしさを感じてもらえるような空間を目指した。